「家具のサブスクを通じてオールドな業界に革命を起こす」 株式会社subsclife


家具を月額定額制でレンタルできるサービス「subsclife」。
おしゃれなデザイン家具を新品でレンタルできるという点で、法人・個人ともに利用者を増やしています。今回はsubsclife代表の町野 様に、現在の事業と今後の展望についてインタビューしました。

「家具のサブスク」をはじめた理由

—事業をはじめたきっかけを教えて下さい。

「サブスク」という言葉を初めて聞いたのは2017年の4月、アメリカで行われたベンチャーイベントに登壇した時でした。話す人のほとんどが「サブスク、サブスク」と繰り返していた気がします。

当時の日本ではまだまだサブスクという概念は浸透しておらず、そもそもサブスクという言葉自体
知られていなかったと記憶しています。

その時に、「これは物と組み合わせたら絶対に面白くなるはずだ」と思ったんですよね。

 

—サブスクという切り口から入られたのですね。なぜ家具に注目したのでしょうか?

僕はもともと家具が好きでした。
家具好きが高じて目黒通りにある家具屋さんを30店舗ほどまわっていたほどです。

それらの店舗には価格は安く質のいい家具はたくさんあるのに、店長の方が「全然儲からないよ」
と言っているのを聞いて、歯がゆく思っていました。

そこで気づいたのです。
「サブスクと家具を組み合わせたら費用も抑えられるし、いけるんじゃないか」と。

そこで最初はtoCを中心に家具をレンタルする「subsclife」をスタートさせました。

おしゃれなデザイン家具を1個から。
家具はレンタルする時代。

 

参照:https://subsclife.com/s/r/r101300/

—subsclifeの特徴はどのような点でしょうか?

月額定額制でおしゃれなデザイン家具を新品でレンタルできるという点が、当社の一番のアピールポイントです。

「断捨離」という言葉も流行っていますが、たとえば引越しや新しくオフィスを構える時に、
家具の扱いに困っている方は思っている以上に多いはずです。
これを完全定額で、しかも購入だと少しためらってしまうようなデザイン家具をレンタルできたら、興味を持ってもらえるのではないかと考えました。

引越しにはただでさえ初期費用がかかります。家具をレンタルすることによってなるべく支出をおさえ、新しい生活のスタートを切ってほしいという思いもあります。
利用期間を自由に選べたり、家具1個から利用できたりと様々なアピールポイントがありますが、無料でインテリアコーディネートの相談ができる点も面白いのではないかと自負しています。

家具のサブスクリプションで生活を柔軟に、もっと豊かに

 

—顧客は法人・個人どちらの方が多いのでしょうか?

個人・法人どちらも同じくらいの割合で利用いただいています。引き続き法人向け・個人向け合わせて力を入れていきたいと考えていますが、効率面を考えるとより法人向けに手厚くしていきたい方向性です。

ありがたいことに昨年の夏頃から徐々に「subsclife」の認知が伸びてきて、スタートアップ企業だけではなく大手企業からも問い合わせいただくことが増えました。

家具は一度購入したら長く使い続けなければいけないという固定概念があるのだと思います。
壊れたり使えなくなったりしない限りは、滅多なことでは買い替えませんよね。
だからこそ、「少し雰囲気と違うな」「買い替えたいけど、購入したばかりだし……」という悩みを少しでも減らしたいと考えています。

家具のサブスクリプションサービスを使えば、もっと生活に柔軟性を持たせられると気づくお客さまが増えてきているのだと思います。

 

—このサービスの競合は他の家具屋になるのでしょうか?

一般的に考えると、家具屋さんが私たちの競合になります。しかし、私たちはむしろ支援させてもらう立場です。一緒に協力し合っている感覚のほうが強いです。

と言うのも、現在400ブランド・計10万種類の商品を扱っているなかで、家具屋さんから家具を仕入れさせてもらっています。競合というよりは仲間じゃないですか。

一緒にこの業界を刷新すべく共闘している仲間だと思って、日々業務に取り組んでいます。

 

—となると、仕入れる家具は新品なのでしょうか?

そうですね、私たちが扱うものは新品の家具です。一般的なレンタルモデルとは少々仕組みが違って、新品をベースに組み立てています。

どうして新品をベースに組み立てているのかというと、 実はレンタルモデルには大いなる欠点があるからです。短期利用には向いているのですが、家具のような長期的に利用するものについては、どうしても定価を超えてしまうのです。

たとえば一眼レフカメラ。たまに長期旅行に向かうときなど、なるべく良いカメラで写真に残しておきたいと思うじゃないですか。

ただこういう機会がなければ、高価な一眼レフカメラはそうそう使う機会がないはずです。
仕事で使う場合はその限りではありませんが、趣味で10万円以上するようなカメラを購入するには相当な勇気がいると思います。

だからといって、旅行するたびにレンタルしていたら、その回数によってはいつか定価を超えてしまうときがくる。その反面、家具は数ヶ月で買い換えるようなタイプのものではありません。
一度購入したら数年以上は使い続ける場合がほとんどですよね。

だとしたら、一般的なレンタル用の質では合わないのではないかと考えました。

参照:https://subsclife.com/s/pages/about-subsclife.aspx

 

家具は完全に新品を用意し、少々安い価格で分割して購入できるようになっています。
この方式であれば、利用していただく側も良い家具をレンタルできるようになる。よって、新居や新しいオフィスを予定よりもグレードアップしたものにもできますよね。

私たちは、家具のサブスクリプションをとおしてビジョンである「家の中、世界一、豊かな国へ。」を実現させたいのです。

上場、そしてオールドな業界に革命を

 

—今後の展望について教えてください。

直近の目標は「上場」です。2~3年後を目安に動いています。

「家具」は良くも悪くもオールドな業界です。家具のサブスクと聞いて良い顔をしない人たちも、
業界のなかに少なからずいるかもしれない。
だからこそ、時代の流れに合わせて柔軟に対応しなければならない局面も沢山あると思っています。
「上場」もそのうちのひとつで、ある種のリスクかなと。

僕たちには、家具のサブスク化を通じて達成したいビジョンがあります。

そのためにはこの業界において大きなリスクをとる覚悟がいる。革命というと大げさかもしれませんが、それくらい大きなビジョンの元でやっていると示すことも大切だと思うので。

今後は直販体制の強化×仲間づくりで更なる躍進を

—上場を見据える上での現在の課題はどのようなものでしょうか?

上場というひとつの目標を達成するためにも、私たちはさらに思考を広げてあらゆる成長戦略を練っていかなければならないと考えています。

大まかな方向性としては、これまでの直販体制を引き続き強化していくのと並行して、サービス提携できる仲間を作るところ。我々の理念やサービスそのものに魅力を感じてくれた代理店を増やしていく動きが大事だと思っています。

具体的に言うと、オフィスデザインの会社や内装会社が主ですね。
親和性が高く、また営業法人部隊を持っているとさらに相性がいいのではないでしょうか。

スタートアップさんとも積極的に提携していけたらいいと考えています。
まだまだ始まったばかりの、これからの時期が大切な会社であり、サービスですから。

 

<株式会社subsclife>

代表者: 町野 健

設立 :2016年11月9日

本社 :〒150-0001
東京都渋谷区神宮前4-3-15 東京セントラル表参道218
     Google Map

HP   :https://subsclife.com/

 

[公開日]2020年05月26日
[取材] 畠山 和也 /臼井 華蓮[編]大久保 亮佑[著]北村 有