「イツでも、ドコでも、ダレでも。」新電力のHTBエナジー株式会社


今回お話を伺ったのは、HTBエナジー株式会社(以下、HTBエナジー)の代表を務める赤尾 昇平様。
新電力会社として電気やガスの供給を通じて届けたい価値、今後の展望についてインタビューしました。

新電力会社のHTBエナジー

電気だけでなく、ガスの自由化が始まった時点ですぐに参入しておられますよね。

はい。いわゆる「新電力会社」といった枠組みで、2015年2月に設立しています。
本社は福岡にあり、主に電力の小売をしている会社です。

 

あくまで主力は電気ですが、ガスの供給についても東京を中心とした関東圏からエリアを拡大していく計画があります。

 

電気は仕入れていると伺いましたが。

そうですね、基本的に電気は仕入れています。
元々はハウステンボスの資本で設立された当社ですが、現在はHISエネルギーホールディングスが
親会社に変わっており、HIS100%のエネルギーホールディングスとなっていますね。

 

エイチ・アイ・エスグループ企業のHISスーパー電力の発電所(発電所)がもう間もなく、2020年秋口を目処に運開予定ですし、再生可能エネルギー発電事業もありますので、中長期的にはグループ内から電気を調達する道も十分にあり得ると考えています。

 

「太陽光発電のパネルを10年間設置後、無料で差し上げます」といった取り組みもされていますね。

参照:https://htb-energy.co.jp/homepv/

そうですね。
こちらの取り組みは、 太陽光発電パネルを無償で取り付けた代わりに、日中は自家消費で使っていただき、余った分の電気を我々で買い取るという第三者保有モデルと呼ばれる形で試験的に行っているものです。

 

参照:https://htb-energy.co.jp/homepv/

10年間HTBエナジーが余剰電力を買い取り、代わりに販売する期間がございますので、
10年後はそのまま差し上げてお客様自身で余剰電力を販売して頂くというモデルになっています。

 

将来的に、「電気のやり取りは個人間に帰結する」と当社は考えております。
また、そこがターニングポイントになると考えているので、それに向けての準備といった側面もありますね。

イツでも、ドコでも、ダレでも

参照:https://htb-energy.co.jp/

比較的、収益化が難しいとされている電力業界で、HTBエナジーが安定している理由はどういったところにあるのでしょうか?

契約しているお客様のシェアで言うと、いわゆる「低圧」と呼ばれる一般家庭を中心とした供給に偏っているため、「高圧」と呼ばれる法人への供給の大きな価格競争の波に巻き込まれずにここまで来られたのが大きいかもしれませんね。

 

当社も、ようやくここ数年で利益が出始めた段階です。
常に危機感を持ちながら取り組んでいますし、提供する商品をはじめ、会社そのものを磨いていかねばならないと思っています。

 

具体的に言うと、昨年、1年かけて商品名やプランを見直し、全面的に入れ替えをしたこともあります。

 

また、少しずつですが認知も上がってきている実感がありますし、これまでお申込頂いていた主力商品とは別の商品にもスポットが当たりつつあります。

 

HTBエナジーの強みはどのような点でしょうか?

当社のコンセプトは「イツでも、ドコでも、ダレでも」です。しっかりコンセプトを定めることで、当社のスタンスを分かってもらったうえでやり取りできるメリットがあるのではないかと思います。

 

「イツでも」=いつでも当社にアプローチできる、という意味ですね。
エイチ・アイ・エスの店舗経由でも可能ですし、オンラインでも申し込めます。
加えて当社内にコールセンターがありますので、文字通り「いつでも」対応できますといった意味も。
よりお客様との接点を増やしたい気持ちがあるんです。

 

そして、「ドコでも」=日本全国どこでも。沖縄を含めて、どこでも商品を取り扱っていますという意味です。例外なく、どこのエリアでもご利用頂ける。という安心感をご提供したいと思っています。

 

最後に、「ダレでも」=一度に使う電気の量が少ない20Aのお客様から、多くの電気を使うお客様も含めて、だれでも。今後扱う予定のオール電化といった商材を含めて、だれでも当社をご利用頂けますという意味です。

 

誰しも当社のお客様になり得る。そこに例外はない。そういった面をお客様にお伝えしたいという気持ちを込めて、こういったコンセプトを定めました。
結果的に、他の会社との差別化になっているのではないかと思います。

今後の目標や展望

今後の展望は?

展望は、今後さらに大阪や東北を中心に出店してエリアを拡大し、お客様との接点をさらに増やしていくことです。
新事業を始めることも考えましたが、まだ6期目ですし、利益が出始めて数年といった段階です。
手を広げるよりは、「選択と集中」のフェーズにいるのかなと思っています。

 

あまり様々なことをやりすぎてしまうと、会社としての方向性もブレてしまう。
今は、利益が取れる分野を中心に事業規模を拡大させる方向で取り組もうと考えていますね。
そのあとに大きな投資に挑戦できれば御の字です。

 

HISエネルギーホールディングスの下には、HTBエナジーとHISスーパー電力という子会社があります。基本的な位置づけとしては、HISスーパー電力が「発電事業」、HTBエナジーが「小売事業」。
そのため、例えばプラットフォームの事業開発への投資などといったことは、HTBエナジーの管轄なのかなと考えており、将来的に挑戦していきたいと考えています。

 

<HTBエナジー株式会社>

代表取締役代表: 赤尾 昇平

設立     :2015年2月2日

本社     :〒810-0001
福岡県福岡市中央区天神3丁目9番25号 東晴天神ビル

HP       :https://htb-energy.co.jp/

 

[公開日]2020年07月17日
[取材] 畠山 和也 /臼井 華蓮[編]大久保 亮佑[著]北村 有