当別町をブランドに。株式会社tobe


北海道の当別町にて、「北欧の風 道の駅とうべつ」の運営から地域商社としてまちづくりも行なっている株式会社tobe。今回は、広報の中田ひかり様にお話を伺いました。

道の駅から当別町を盛り上げる

TOBESTの多彩な商品

 

ーー道の駅とうべつと株式会社tobeは同時に始まったのでしょうか?

当社は「北欧の風 道の駅とうべつ」の運営会社、そして当別の地域商社としてスタートいたしました。
当別町関連商品の販売をはじめ、地域産品を使った商品の開発やECサイトでの販売のほか、道の駅を切り口に当別町を周遊していただくための施策や季節ごとのイベントを行うことで当別町全体を盛り上げていける存在になれればと考えています。

 

TOBEST 黒豆ご飯のもと

 

ーー地域商社とおっしゃっていましたが、商品開発も会社内でやってらっしゃるんですか?

商品にもよりますが、基本的には自社で行っています。
今一番人気の「黒豆ご飯のもと」という商品は、お声がけをいただいた事業者さまと、当別町の黒豆で何かできないかということで生まれた商品です。
例えば味の濃さですとか黒豆の比率など、何回も試作をした後決めています。

道の駅とうべつ発のオリジナル商品は【TOBEST(トーベスト)】というブランド商品となります。
TOBESTという名前には、食卓はもとより、暮らしそのものを豊かにするような「当別のいいもの」「当別の収穫」という意味や「TO THE BEST」の気持ちを込め、常にベストを更新し、進化をやめない前向きさを表現できるような商品作りを心がけています。
最終的に生産者の方々もお客様にも喜んでいただける商品の提供を目指しております。

 

TOBEST 鯛めしのもと

 

ーー国内外他の地域との交流を活発になさっていますよね

海外ですとスウェーデンのレクサンド市が姉妹都市で、国内ですと伊達の繋がりで宮城の大崎市と愛媛の宇和島市ですね。
オープン時から道の駅でフェアをやっていただいたり、その都市ならではのお祭りを当別町で開催したり。
最近ですと、宇和島の新鮮な鯛を使用した【鯛めしのもと】という商品の開発を行い、現地の方からも好評をいただきました。このような形で当別町にいながらスウェーデンや大崎、宇和島を感じていただけるような道の駅にしていきたいと思っております。

 

姉妹都市提携20周年を記念して、レクサンド市から当別町へ寄贈されたダーラナホース(幸せを呼ぶ馬)

 

ーー国内外問わず交流を活発にしていらっしゃいますが、海外からのお客様も多いのでしょうか?

バスツアーのコースに組み込んでいただくなど、コロナ禍以前ですと道の駅にも多くいらっしゃっていましたが、まだそこは伸びしろがあるのかなと思っています。海外からECサイトやホームページを見てくださっている方も多く、アジアを中心にアメリカなどからも注目をいただいているのは嬉しく思います。
意外にもHPを見てくださっている方で多かったのはインドネシアの方です。
台湾での出店を行なった経験や、インフルエンサーの方にご紹介していただける機会もあり、少しずつですが認知度が上がっていくのを期待しています。

現在はコロナ終息後に向けて、ポケトークや外国語のパンフレットの導入などを進めています

生産者さんの想いを伝えたい

 

ーー野菜の販売もやっていらっしゃいますが、実際に畑にいって選ばれるんですか?

農産物直売所はJAさんが運営されているのですが、私たちが生産者の方へ直接企画を持って行って販売の交渉をしたり、収穫を体験させていただいたりという経験もあります。
直接生産者の方とお会いすることでわかる情報があり、そこから新商品が生まれたケースもあります。

例えば、通常なら廃棄されるアスパラガスの端の部分を格安で仕入れて、「アスパラのしっぽ」という形でパック詰めして販売したり。
そういった形で、生産者さんにとっては捨ててしまうものでも、私たちの目から見たら価値のあるものということもあるので、実際に足を運ぶと、とても勉強になりますね。

 

ーー農家さんとの会話の中で新商品が生まれていくのですね

生産者さんと会話しているからこそ分かる面白さを感じることで、広報としても様々な形でお伝えできることが増えていきます。

最近は野菜も品種で選ばれる方が増えたので、ただ販売するだけではなく、込められた想いや生産者さんならではの食べ方をお伝えするなど、このお野菜を食べたいと思っていただけるような工夫をしていきたいです。

それは商品だけでなく、季節ごとの限定メニューとして道の駅内の各店で発売したりといったイベントにも通じています。

今後の展望

広報の中田ひかり様

 

ーー今後、事業を拡大していくにあたっての課題はどのようなものがあるのでしょうか?

広報としてはまだ多くの方に知っていただけていないことが課題で、そのために情報発信に力をいれていきたいです。

また、一度来ていただいているお客様にも来るたび進化を感じていただけるような道の駅作りをしていきたいと考えております。会社としては、魅力的な地域が既に多くある中で当別町として何を強みとして売っていくかが課題です。

 

ーー今後の構想を教えていただきたいです

当社が入ることによって当別町の物に付加価値をつけられるような存在になれればと考えております。素材の持っている価値を最大化できるような商品作りのお手伝いができればうれしいです。
広報活動を通じて当別町の認知度を高め、魅力を発信するのはもちろんのこと、将来的には生産から加工、道の駅での販売までオール当別でできるような環境が整えばいいですね。

 

<株式会社 tobe

代表者: 増輪 肇

設立 :2016年12月26日

本社 :〒061-3773
北海道石狩郡当別町当別太774番地11

HP   :https://tobest.co.jp/

 

[公開日]2020年09月24日
[取材]臼井 華蓮[編]大久保 亮佑[著]臼井 華蓮