どこで働いていてもお給料が一元管理できる世界へ。株式会社キュリカ


今回お話を伺ったのは、株式会社キュリカの代表を務める長澤一雅様。

株式会社キュリカは、キュリカカードを1枚持っていれば、銀行口座不要で、お給料日を待たずにお給料をATMから引き出せる、日本初の給与前払いサービス「CYURICA(キュリカ)」を展開しています。
現在の仕組みに至るまでの経緯や、今後の展望についてお伺いしました。

キュリカ誕生の経緯

https://www.cyurica.jp/

 

ー給与前払いサービスのキュリカをはじめたきっかけを教えてください。

10年以上も前になりますが、グループ会社ヒューマントラストの派遣社員から、「日払い制度が欲しい。」という要望が多くあり、創業者の阪本代表がそれに応えたことが始まりです。
最初は現金手渡しで書類にハンコを押すといったアナログな方法を採っていましたが、
経理や事務の作業負担が大きく多額の現金を持ち運ぶのはリスクがあるとのことで、システム化し、現在のキュリカのカタチとなったと聞いています。

これまでの歴史の中で、サービスとして安心してご利用いただけるように、
法律面の問題をクリアするために弁護士への相談や行政等各方面の方々とやりとりを重ね、
給与資金を前もって導入企業からお預かりする預託金方式と、利用者の利便性を追求するためにATMを利用した現在のカタチができあがりました。

特に法律面の問題をクリアすることが大変だったようで、創業者の方々の地道な努力があって現在のカタチになりました。

働いたその日にお給料を受け取れる。
導入企業と利用者共に嬉しいサービス。

https://www.cyurica.jp/users/

ーキュリカの特徴はどのような点でしょうか?

大きく2つの特徴があります。
1つ目の特徴は、コンプライアンス重視にあります。

「賃金支払いの5原則」というものが労働基準法で定められており、
その条項を遵守するために当社は資金移動業の免許を取得しました。
企業からお預かりした資金を、当社は送金している役割だという立ち位置を明確にすることで、
直接払いの要件を満たす仕組みを実施できております。

現段階ではお給料の立て替え払いサービスのすべてが違法とは言えないですが、
一部グレーで運営している業者も存在するようです。
そのような状況の中で、上場企業等のコンプライアンスを重視される企業様は、
当社のサービスを選んでくださることが多いと思います。

2つ目の特徴は、利用者の利便性が高いことにあります。

利用者は勤務後すぐに、全国10万台以上のATMから銀行口座が不要でお給料を引き出すことができます。この仕組みは特許を取得しており、当社の強みと言えます。

お給料の前払いを必要としている利用者は、急な出費でお金が必要なことが多いので、早ければ働いたその日の夕方にお金を受け取ることができるこの仕組みは、とても重宝して利用していただいています。

また、導入企業にとっては、福利厚生の1つとしてキュリカを導入していただくことで、
実際に求職者の応募数が6倍になり、採用費用を20%削減できた実績があり、
導入企業と利用者の双方にとって嬉しいサービスとなっています。

 

ー求人・求職サービスもやっていらっしゃると伺いました

https://jobpay.com/

「ジョブペイ」という、企業の求人と求職者をマッチングして、働いた後にすぐお給料が入る、
お仕事探しから給与即時受取までワンストップサービスも提供しています。
キュリカカードをベースにした仕組みで、個々人の経験・スキルに特化した求人サービスとなっています。

 

ー主な収益源はどこになるのでしょうか?

現在は、導入企業から固定でいただいている月額料金と、
利用者からお金を引き出すごとにいただいている、ATMのシステム利用料です。

今後はこの2本の柱を変えていきたいと思っています。
なるべく利用者から手数料を頂かない形にしていく予定です。

すでに一部の導入企業は福利厚生として、利用者から頂いている手数料を導入企業が負担しているところもありますし、例えば広告収入のようなものを財源にして利用者の負担をさらに軽くしていきたいです。

 

ー大手銀行でのトラブルが複数発生していますが、セキュリティ面はどの様に対策していらっしゃるのでしょうか?

現在は、物理的なキュリカカードと暗証番号がセットでそろわないとお給料を引き出せないのでセキュリティ面は万全です。

しかし、今後はカードレスでお金のやり取りが出来るようにしていきたいと考えていますので、新たなサービスの開発に向けて、キュリカアプリに多段階認証を導入するなど、セキュリティ面を強化していかなければならないと考えています。

ゆくゆくはキュリカプラットフォームに

ー事業の拡大に向けて、協業したい業種はありますか?

資金移動業の免許をより活かすべく、給与計算や勤怠管理システムを提供している会社と協業してサービス開発をしていきたいです。

例えば、経費精算のアプリを提供している企業様と提携させていただいて、経費精算した後に銀行振込をするのではなく、キュリカアプリにリアルタイムに残高を加算させて、キュリカカードやスマホがあれば、経費精算したお金がすぐ引き出せたり、仮払いしたお金がすぐ引き出せたりするイメージです。

導入企業から、お給料の前払いだけでなく、入社対応から勤怠管理、給与振込みまでをワンストップで依頼したいという要望をいただいており、実装に向けて動き出しています。

ー今後の展望を教えてください

目指すところは、すべての労働者に価値ある時間を提供できるプラットフォームになりたいと考えています。

ただお給料の前払いシステムを提供するだけでなく、キュリカアプリの残高から電子マネーにチャージできたり、財形貯蓄の無いパートタイマーやアルバイトでも少額の資産運用ができたり、外国人労働者が自国の家族に海外送金したり、ジョブペイと掛け合わせてお金の教育やスキル取得のためのeラーニングのサービスをセットで提供したりしていきたいと考えています。

働き方改革により労働環境が大きく変わろうとしています。
そして、個人のライフスタイルが大きく変化しています。
働き方の変化に合わせて給与の受け取り方も変わっていかないと不便ですよね。

最終的には、キュリカアプリを持っていればどこで働いていても、お給料が一元管理されて、
プラットフォーム上でお金まわりをフルサポートできるサービスにしていきたいと考えています。

 

<株式会社キュリカ>

代表者: 長澤 一雅

設立 :2018年1月

本社 :〒150-0002

  東京都渋谷区渋谷2-12-19 東建インターナショナルビル8階

HP :https://www.cyurica.jp/

 

[公開日]2020年03月17日

[取材]臼井 華蓮[編]大久保 亮佑[著]臼井 華蓮